基礎の「プロンプトの基本」で、複雑な変更には先に「どう進めるか説明して」と頼むのが有効だと書いた。Plan Mode はこの考え方を Claude Code が機能として組み込んだもので、編集や危険な操作をブロックしたまま、調査と計画だけをさせるモードである。

Plan Mode の正体

Plan Mode は、Claude にファイルを編集させないまま動作させるモードである。読み込み・grep・bash コマンドによる調査はできるが、Edit や Write などの変更を伴う操作は走らない。Claude は最終的に「こう進めるつもり」という計画 (テキスト) をこちらに提示する。

基礎で扱った他のモードと並べると、性格の違いが見える。

モード役割
default編集ごとに確認を出す
acceptEdits編集を自動承認する
plan編集自体ができない

つまり「確認の頻度」を変える他のモードと違い、plan能力そのものを制限するモードである。「変なことが勝手に進まない」状態を強制的に作れるのが利点で、不慣れなコードを Claude に読ませる時に安心感が大きい。

入り方

IDE(VSCode 拡張)の場合

プロンプト入力欄の下部に表示されているモードボタン(初期状態では「Ask before edits」など)をクリックすると Modes パネルが開く。

  • Ask before edits ─ 編集ごとに確認を出す(default)
  • Edit automatically ─ 編集を自動承認する(acceptEdits)
  • Plan mode ─ 編集自体ができない(plan)

「Plan mode」を選ぶと即座に切り替わる。パネル内にはキーボードショートカットも表示されており、クリックせずにキーだけで巡回することもできる。

なお /plan <タスク> スラッシュコマンドは IDE でも使える。そのプロンプト 1 回だけを Plan Mode で実行したい場合に便利。

ターミナル(CLI)の場合

入り方は三通り。

  1. Shift+Tab で巡回defaultacceptEditsplan を巡回し、ステータスバーに plan と表示される
  2. /plan <タスク> ─ そのプロンプトだけ Plan Mode で実行する。例:
    /plan 認証フローに OAuth を追加するなら、何を変える?
  3. 起動時から指定 ─ 不慣れなプロジェクトに最初から計画モードで入りたい時:
    claude --permission-mode plan

抜ける時は Shift+Tab をもう一度押す。計画を承認せずに離脱できる。

計画ができた後の選択肢

Claude が計画を提示したら、こちらの選択肢は次の通り。

  • 承認して auto モードで開始 ─ そのまま auto に移行して計画を一気に進める
  • 承認して編集を受け入れるacceptEdits モードに移行して進める
  • 承認して各編集を手動レビューdefault モードに戻り、ひとつずつ確認しながら進める
  • フィードバックして計画を練り直す ─ 「ここはこう変えて」と返して計画を再生成
  • Ctrl+G でエディタを開いて直接編集 ─ 計画テキストを自分の手で書き換えてから承認

いずれの承認オプションでも、「計画コンテキストを最初にクリア」する選択肢が併用できる。これは、計画を作るために大量に読んだファイル内容が実装フェーズのコンテキストを圧迫するのを防ぐためのもの。長い計画フェーズの後はクリアした方が、実装の質が安定しやすい。

いつ使うか / いつ skip するか

Plan Mode は便利だが、計画の生成にもトークンとターンを消費するオーバーヘッドがある。すべてのタスクで Plan Mode を回せばよい、という話ではない。

向くケース

  • 不慣れなコードベースに初めて触る
  • 変更が複数のファイル / 複数のレイヤーにまたがる
  • アプローチに不確実性がある (「どう実装すべきか分からない」)
  • 後戻りのコストが大きい (DB マイグレーション、API インターフェース変更、認証周りなど)

向かないケース

  • 差分を一文で説明できる小さな変更
  • typo の修正、ログの追加、変数の rename
  • 既存パターンを単純に複製するだけ

公式ベストプラクティスの言い方を借りるなら:

差分を 1 文で説明できる場合は、計画をスキップします。

これがシンプルな目安になる。「計画を書いて」と頼んでも、Claude が一文で「X.ts の関数名を変える」と返してくる程度なら、最初から Plan Mode に入る必要はなかった、ということ。


Plan Mode は「いきなり手を動かさない」ための一機能だが、もっと大きく、タスク全体の進め方をどう設計するか、という視点もある。次章では「探索 → 計画 → 実装 → コミット」というワークフローの全体像を扱う。


参考情報