Claude Code のプロンプトに / を入力すると、コマンドの一覧が出てくる。これらは Claude への指示ではなく、Claude Code 自体に対する操作である。たとえば「会話を整理する」「巻き戻す」「終了する」といった、対話の外側の動きを担う。

組み込みのコマンドは多数あるが、本章では日々の作業で繰り返し使う基本セットに絞って紹介する。

まず覚えるもの

コマンドできること
/help使えるコマンドの一覧と説明を見る
/clear新しい会話を始める。文脈を全部リセット
/compact会話を要約して、コンテキストの空きを増やす
/initプロジェクトに CLAUDE.md の雛形を生成する
/rewind過去の状態 (会話・コード) に巻き戻す
/diff未コミットの変更を対話的に確認する
/permissions許可ルールの確認・編集
/resume過去の会話を再開する
/model使うモデルを切り替える
/usageセッションのコストや利用量を確認する
/exitClaude Code を終了する

迷ったら / だけ打って一覧を眺めれば、必要そうなものが見つかる。

よく使うものを中心に

会話を仕切り直す ─ /clear

別の話に切り替えたい時、これまでの文脈をリセットして新しい会話を始める。長いセッションに無関係なやり取りが残ったままだと Claude の判断が引きずられがちなので、タスクが切り替わるタイミングで使う癖を持つとよい。

過去の会話自体は消えない。/resume で呼び戻せる。

コンテキストを圧縮する ─ /compact

同じ会話を続けたいけれど、ここまでのやり取りでコンテキストが満杯になってきた、という時に使う。Claude がそれまでの内容を要約し、空きを作る。引数を渡すと要約の重点を指定できる。

/compact 認証フロー周りを優先して残して

/clear との違いは、続きを話せるかどうか。タスクを変えるなら /clear、続けるなら /compact、と覚えておく。

巻き戻す ─ /rewind

うっかりした変更を取り消したい、間違った方向に進みすぎた、という時に過去のチェックポイントに戻れる。会話だけ戻す・コードだけ戻す・両方戻す、を選べる。Esc を 2 回押しても同じメニューが開く。

ただし、Claude が触っていない外部の変更 (手で書いた差分、CI、ビルド成果物など) は対象外なので、git の代わりにはならない。

雛形を作る ─ /init

新しいプロジェクトで最初に走らせると、Claude がコードベースを読んで CLAUDE.md の下書きを作ってくれる。前章「CLAUDE.md で前提を渡す」で触れた通り、ここから自分の手で削り・足して整える。

確認する系 ─ /diff /permissions /usage

  • /diff ─ 未コミットの変更を対話的に閲覧。Claude の積み重ねた変更を一気に眺めるのに便利
  • /permissions ─ 許可済みのコマンドや拒否ルールを確認・編集する
  • /usage ─ そのセッションでどれくらい使ったか、料金プランの利用量を確認する (/cost /stats は別名)

その先

ここで紹介したのは組み込みコマンドのうち、特に頻度の高いものに限ってある。実際にはもっと多く、サブエージェントの管理 (/agents)、MCP サーバー (/mcp)、フック (/hooks)、計画モード (/plan)、サンドボックス (/sandbox) など、機能ごとに専用のコマンドが用意されている。

さらに、バンドルスキルと呼ばれるコマンド群もある。/simplify /debug /loop などがそれで、固定ロジックのコマンドではなく、Claude に手順書を渡して動かす仕組みになっている。自分で作ることもできる。

これらは応用の章で改めて扱う。基礎としては「上の表のコマンドが手に馴染んでいる」状態を目指せば十分である。


なお、上の表に挙げた /clear/compact は、長い会話とどう付き合うかという問題に直結する。次章ではその観点から、両者の使い分けをもう一段掘り下げる。


参考情報